2013年 01月 09日
「Museu da Carris #1」
リスボンのトラムや市バスは"Carris"という会社によって運行されている。
このCarris社、歴史はずいぶんと古くて発足はなんと1872年。
翌年にはリスボンで最初の路面電車の路線を開通したらしい。
もっともその時代の車両は電化されておらず馬車だったので厳密に言えば
「電車」ではないのだけど、まあそんなことはここではどうでもよろしい。

リスボンカード(観光客向けの各種特典カード)についてくる観光ガイドに
そのCarris社の博物館があると書いてあったので、ベレンの世界遺産を
観光するついでに行ってみた。
だがしかし、トラムシティおそるべし。
「ついで」になったのは世界遺産観光のほうだった。

Carris博物館は、15Eのトラムでベレンに行く途中のテージョ川にかかる
大橋の真下にある。博物館にしては随分辺鄙なところにあるなと思ったが
行ってみるとなんのことはない、Carris博物館はCarris社のトラム車庫の
敷地内にある資料館だった。

入り口でチケットを買って中に入る。
受付の金髪女性に「一通り見終わったら声をかけて」と言われ、館内に入ると
他に見学者もいないようで閑散としていた。

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あまりに地味すぎるCarris博物館の入り口。看板もえらく小さい。


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Carris博物館館内。


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馬車時代に使われていたという大鐘。


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初期のケーブルカー。乗客の服装がスゴイ。


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昔の車両模型。今のより大柄だがこれはこれでとても美しいデザイン。


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"Test Car"と書いてあった。低床式の初期モデルかも。


歴史の長い会社だけあって、昔のトラムやバスに関する様々な資料や模型、
当時の新聞記事などが展示してある。こういうものを見るとポルトガルという国の
歴史をリアルに感じる。ぼくの場合、古い教会やモニュメントをいくら見ても今ひとつ
ピンとこないのに不思議なもんである。

それほど大きくもない資料館なので15分くらいで見終わってしまった。
え?これだけ?これは失敗だったかも。。とガッカリしながら受付に戻り、
さっきの女性に「終わりました」と言うと、彼女は裏口のようなドアの前に行って
こっちへこいと手招きをした。
よく分からずにドアのところに行くと、彼女はガチャガチャと鍵でドアを開けながら
「別館に案内するわ。"クルマ"をとってくるからここで待ってなさい」と言い残し、
スタスタと車庫の奥に消えてしまった。
別館?別館ってクルマで行かないといかんほど遠いんかいな?と思ったのも
束の間、起動音と共に目の前の車庫から現れたソレにめちゃくちゃ驚いた。
「クルマってコレか!」

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じゃーん!


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じゃじゃーん!カッコ良過ぎですマダム。


なんとこのCarris博物館、本館と別館の間はトラムで結ばれているのである。
しかも、このトラム。リスボンでの電化式トラムの初期オリジナル車両
(1901年製)なのだそうだ。つまり100年以上前のトラム実物そのもの。
そんな代物がフルオリジナルのまま残っているというだけで十分スゴいと思うが、
それがきちんと整備され、しかも博物館内の移動手段として現役で使われてる
となるともう言葉がなかった。

前言完全撤回。
さっきガッカリなんて言ってヲレが悪かった許してくれ。いや許してください。
そして、Carris博物館はそこいらの名ばかり博物館が裸足で逃げ出す
「特濃」の博物館なのであった。


(つづく)
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by jellyfishcafe | 2013-01-09 01:49 | Spain&Portugal2012 | Comments(4)
Commented by hira at 2013-01-09 08:34 x
カッコイィ最高  興奮したでしょうね 受付女性がガンダムパイロットになって登場って感じかなぁ~ 羨ましいです  
Commented by ikasasikuy at 2013-01-09 19:22
同じく
古い社寺を見て歴史を感じたことはありません
博物館の片隅に展示されている
むかしの農機具や漁具
食器や衣類
時計やカメラのような道具に強く歴史を感じます
考えてみたら当たり前のことですね
ほんで
このCarris博物館
鉄の道の人たちは大喜びでしょうね
ボクは鉄人ではないですが行き(乗り)たいです
鹿児島の路面電車の女性運転士もかっこよかったけど
この金髪のマダムには敵いません

Commented by jellyfishcafe at 2013-01-10 01:34
>hiraさん
いやー興奮しました(笑)
まさかあんな"クルマ"で現れるとは思わなかったです。
しかも彼女自身がそれを運転してくるとは。。
こちらの想像の限界を超えたサプライズでした。
Commented by jellyfishcafe at 2013-01-10 01:42
>ikasasikuyさん
ikaさんもそうでしたか。
社寺も教会も歴史そのものには違いないんでしょうけど
どうもリアリティに欠けるというか。。やはり直接ヒトが
使っていたギアのほうがダイレクトに伝わってきますね。
Carris博物館、鉄のヒトは間違いなくマストですね。
でもご覧の通り古いトラムに実際乗れたりする体験型
なので鉄じゃないヒトでもかなり楽しめると思いますね。
なかなかそのへん考えて作ってる博物館だなあという印象を
受けました☆


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