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カテゴリ:澳門路地裏dive的話( 7 )

2009年 05月 27日
「路地裏dive的話-7」
>>「過去の澳門路地裏dive」参照


適当に目星をつけて飛び込んだその路地の奥はとても美しかった。
古いショップハウス風の家並みにポルトガル統治時代の石畳が残っている。それはきれいに整備された観光用のものと違い、もっと生活に近いところでずっと残ってきたであろう石畳だった。

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この辺りは小規模な問屋や洋裁屋、工芸品など作る工房が多いらしい。
狭い路地の両側に多くの作業場が並んでいる。
大きく開け放たれたその間口からは様々な仕事を垣間見ることが出来て、ヒトの労働が生み出す多様な音が響いていた。そういう音はちっとも騒音には聞こえず、むしろ心地良さすら感じるから不思議なものである。

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そのせいだろうか。
ヒトもバイクもたくさん通り過ぎる道にも係わらず、その小さな路地には何だかとても落ち着いた時間が流れているように思えた。

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どんなところに出かけてもメジャーなルートを離れて歩きたがるのは、こういう景色に出会いたいからだ。
この角の向こうに、あの路地の奥に、そこに住む人々の息遣いが聞こえるような景色があるんじゃないか?
通りすがりの観光客にはなかなか見せてくれない稀有な街の横顔に一瞬だけでも出会えるのではないか?

そう思うとついついもうちょっとだけ先へ、と足が進んでしまう。
ぼくの路地裏diveはまだまだ終わりそうもない。


(END)
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by jellyfishcafe | 2009-05-27 01:51 | 澳門路地裏dive的話
2009年 02月 24日
「路地裏dive的話-6」

さらに通りを奥へと進む。
いつもフシギに思うのだけど、海外の駅や空港で迷うととても不安になるものだが亜細亜のこうした街中で迷ってもそうなることは殆どない。それどころか心の深い部分が静かに高揚してくる。

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道幅が狭くなってきた代わりに左右にいくつもの路地が現れた。
こういう路地は大好きなので、次々と現れるそれらの細道に少し入って写真を撮り、元の道に戻ってまた別の路地に入り込んでは写真を撮る、というのをかなりの時間繰り返した。

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それぞれの路地は互いに10メートルと離れていないのに、その表情は一つ一つ大きく違うのが面白い。
さらにマカオらしい中洋折衷な道や建物の雰囲気がその多彩さに拍車を掛けていた。

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そのうちの一本の雰囲気がなんとなく気に入ったので、もう元の道には戻らずにそのまま先へと進んでみることにする。
どこに続く道なのか全然分からないが、まっすぐ行けばどこかの大きな通りに出るに違いなかった。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2009-02-24 01:43 | 澳門路地裏dive的話
2009年 02月 07日
「路地裏dive的話-5」
通りを進むと街並みはますます古くなってきた。
左右の家々には既にヒトが住まなくなっているものや廃墟同然のものもあり、実際に解体作業が進んでいるものもある。

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面白いなと思うのは並んでいる建物の真ん中が撤去されて中抜き状態になると、こちらでは必ずと言って良いほど木材を突っ張り棒にして入れていることだ。
見たところその突っ張り棒も細くて弱々しいもので、なかには棒自体がツギハギで出来ているものもある。
こんなもので建物を支えられてるとも思えない。それにそもそもこちらの建物というのは中間の家が無くなったことでそんなにもグラグラと傾くものなのだろうか(笑)
このあたり、一度聞いてみたいところだ。

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今や中華圏の古街はどこも再開発ブームの真っ只中。
マカオに限らず主要都市では街の中枢での開発が一通り終わり、その周囲を取り囲む地区へと開発の対象が移ってきている。こうした下町地区もどんどん更地にされては、後にはファッションビルやマンション、ホテルなどが立っているようだ。

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そして、この通りも例外ではないようで、まるで櫛の歯が抜けるようにところどころ空いた家並みの隙間から、押し寄せる高層建築の波が見えた。

次にここに来た時は全く違う風景になっているかもしれない。
そう思うとなんだか目の前の風景がとても愛おしく思えてきて、ぼくは一枚一枚丁寧にシャッターを切りながら歩いた。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2009-02-07 01:52 | 澳門路地裏dive的話
2009年 01月 25日
「路地裏dive的話-4」
粥麺屋の脇から分かれる通りの1つに入ってみることにした。
そこは路面の小さな店が立ち並ぶ商店街でローカルムード漂う通りであった。行きかう人々もちょっと買い物に出てきた風の地元のヒトばかりでカメラなど提げているのはぼくだけのようだ。

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乾物屋と八百屋がかなり多い。
日本にいる時は路面店の八百屋などまず覗くことがないのだけど、旅先ではついつい覗いてしまう。特に香港やマカオのこうした店で並んでいる果物などは、やけに新鮮で美味しそうに見えるのだ。もちろん実際に買って食べてもほぼ確実に美味い。

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物珍しそうに見ていると、声の大きいオヂサンとかオバサンの店員さんが一個くれたりすることもあるのも楽しみの一つ。
残念ながらこの時は写真だけだったが(笑)

ちょっと歩いた先に、思いがけず釣具屋を見つけた。
看板に「竹林釣具」と書いてある。
その屋号といい看板の感じといい、地方の古い駅前通りあたりにポツンとありそうな佇まいといい、見ているととてもここがマカオだとは思えない。実際のところ日本国内にも「竹林釣具店」は必ずあると思う。
看板にポルトガル語表記の店名も書いてあるのを見てようやくあっここマカオだもんなと思った。

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アングラー諸氏は分かってもらえると思うが、なにが興味深いって異国の釣具屋ほど興味深い場所はないものである。
ショーウィンドウには磯竿とおぼしき太目の竿がズラリと並んでいた。そういえば香港・マカオあたりでは離れ島での磯釣りが人気だと聞いたことがある。
しかし中を見ようと思って入り口に周ると"CLOSED"とあった。
店内の電気は点いており中にちらちらヒトの姿も見えるのだけど、ドアは閉まっておりどうやら本当に休みのようだ。かなり残念だったが、この店も黄林記本店の雲呑麺とセットで次回のために記憶野にマークしておいて先を行くことにした。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2009-01-25 01:45 | 澳門路地裏dive的話
2008年 12月 22日
「路地裏dive的話-3」
「この先下町」とでも書いてありそうな通りに入って歩いていくと、道幅がだんだん狭くなってくる。しかし、建物の密集度と交通量は道幅に反比例するかのように多くなってきた。

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ふと横を見ると小さな粥麺家があった。
看板も間口も小さくてうっかりすると見過ごしてしまうような小さな店だ。屋号は「黄枝記」とある。
「黄枝記」といえば、雲呑麺で有名な麺家でセナド広場脇の一等地に大きな店があるし、香港の中環にも支店がある老舗の店である。

だが、目の前のその店はお世辞にもパッとした店構えとは言えず、店内もやたらと狭そうである。
ホントにあの黄枝記?
名前だけパクった全然別な店なんじゃないの?というようにしか見えなかった。

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後から調べて分かったのだが、実はこの店こそ黄枝記粥麺専家の本店そのものであった。
こんな裏通りの小汚い店舗(失礼)から始まって、あれだけの人気有名店になっていったのである。それを思うと1つのサクセスストーリーをリアルに見たような気がした。

この時はそんなことは知らなかったので、写真を撮りつつ素通りしてしまったが、黄枝記本店の鮮蝦雲呑麺を味わうチャンスを逃したのは今でも悔やまれる記憶だ。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2008-12-22 00:45 | 澳門路地裏dive的話
2008年 12月 12日
「路地裏dive的話-2」
坂を下りきったところの道を右に歩いていくと再び小さな広場に出た。
広場の奥には小さな教会のような建物があって数人の観光客がそこで写真を撮っていたが、天主堂の賑わいと比べるとびっくりするほど静かだった。おそらくここも世界遺産に含まれる歴史建築の一つなのだろう。
(マカオは数十の史跡からなる歴史地区が1つの世界遺産として登録)

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面白かったのは、その広場を境に道の向こう側では街並みが一変していたこと。
それまでの道幅にも少し余裕がある落ち着いた街並みから、ショップハウス風建物がぎっちり建ち並ぶアジアンチャイニーズ的な風景へと変わった。
つまり、ここから先は表向きの顔ではないマカオのリアルな生活圏ということらしい。

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「アジアンチャイニーズ的」と思わず一括りにしてしまったけど、日本でも東京と大阪の下町の風景が異なるように、マカオの下町の雰囲気はやはり香港のソレとはちょっと違う。
香港のもうなんでもかんでもゴッタ煮でハイハイ兄さんどいたどいた!的な縦ノリ感とは対照的に、マカオにはたとえ下町と言えどもどこか秩序を感じるゆっくりとした横ノリ感があるように思う。

僕はデジカメをポケットに突っ込むと、バッグからレンジファインダーを取り出してシャッターを切った。
気づけばなんとなくニヤニヤしている自分に気づく。
我ながら気持ち悪いガイジンだと思う。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2008-12-12 01:02 | 澳門路地裏dive的話
2008年 12月 10日
「路地裏dive的話」
マカオ一番の観光スポットと言えば、聖ポール天主堂だろう。
といっても、肝心の天主堂はもう焼失しているので、正確には「聖ポール天主堂(跡)」ということになっている。
旅行や遺産などに興味のないヒトであっても、階段のてっぺんに教会の壁一枚だけがポツンと残るこの奇妙な風景には見覚えがあるのではないかと思う。

しかしこのネット時代、世界遺産な史跡などはコタツの上からでも眺めることが出来る。
そもそもぼくはこういうところに行っても5分も眺めていると大抵飽きてしまう性分だ。有り難味が分かってないと言われたりもするけれど要は価値観の違いである。
ぼくが惹かれたり有難く感じたりするものは別なトコにあるのだ。
それだけのことなのである。

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聖ポール天主堂前広場。左奥が天主堂(跡)


聖ポール天主堂(跡)の階段下には小さな広場がある。
カメラを持った観光客で1年を通して混雑するその広場のすぐ横に、天主堂(跡)に平行して続く小さな道を見つけた。

奥にも何かあるのかなと思って歩いていくと、土産物店の売り声も観光客の喧騒も急に遠のいた静かな路地が続いていた。しばらくして道はアパートに突き当たり今度は左に曲がって下り坂となっている。

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特に天主堂(跡)とは関係のない道のようだ。
この時点ですっかり天主堂(跡)に戻るつもりがなくなっていたぼくは、世界遺産見学は早々に切り上げることにして、その道を歩いてみることにした。

(つづく)
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by jellyfishcafe | 2008-12-10 01:14 | 澳門路地裏dive的話