カテゴリ:Hongkong2010( 7 )

2011年 02月 19日
「高架下の魔女」
香港には現代の魔女がいる。
銅鑼湾のはずれにある高架下に、多いときで5、6人の拝神婆が地面に敷物を敷き、小さな祭壇を置いて打小人(ダーシウヤン)をしている。
拝神婆というのは祈祷を行なう老婆のことだ。そして「打小人」の「小人」は厄介者や邪魔者という意味。読んで字のごとく、拝神婆が祈祷を上げながらそうした人物の写真や名前を書いた紙を靴で打ち叩き、最後にその紙を人形の虎に食べさせる呪いの儀式が「打小人」。
いわば、ワラ人形への釘ウチ代行みたいな商売である。

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初めて知ったときは驚いたが、ある意味では風水など信心深い香港人らしい風習かもしれない。それに「呪い」と言っても実際には嫌いなヒトからの負の影響が自分に及ばないように払う一種のお払いというか、もう少しライトな感覚のものらしい。
この「嫌いなヒトを積極的に排除する」感覚は、建前を重んじ、性善説で育っている日本人にはなかなかピンとこないところはあるけど、打小人をやってもらいたいヒトは日本にも間違いなくたくさんいるはずだ(笑)

この場所を通ると大抵何人かのお客がいて、拝神婆の言葉に熱心に耳を傾けている。若い女性をが多いように思うのけどそれはぼくの気のせいかもしれない。けれど少なくともぼくは男性のお客は一度も見た記憶がない。
ちなみに打小人の呪術効果が一番高まると言われるのが旧暦の啓蟄で現在の3月初旬にあたる。この時期には冗談抜きに拝神婆の前に待ち行列が出来るほど繁盛するのだという。

あとすこしで2月も終わり。
魔女たちの祈祷にも一層チカラが入ってくる頃だろう。
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by jellyfishcafe | 2011-02-19 13:51 | Hongkong2010
2011年 01月 17日
「嘉咸街2」
嘉咸街界隈の路上街市風景が「香港らしい風景」だという認識は古くから香港人の中にもあるようで、映画やドラマにもちょこちょこ登場する。分かりやすいとこでは、映画「恋する惑星」でトニー・レオン扮する警官が道端屋台でメシ食ってたのもココである。

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果たして古い街並みの保存か、それとも新しい街の開発かという問題は世界のどこでも起きてる問題だと思う。一口に保存と言っても実際のところ安全の問題もあるから、老朽化した建物をそのまま放置しておくわけにもいかない。(一昨年には香港で古ビルの倒壊事故もあった)
国に関係なく、決して一筋縄ではいかない難しい問題なのだろう。

ただ1つ、香港のケースでいいなと思うのは、古い街並みの保存運動の先頭に立っているのが80年代以後生まれの若者たちだということ。
「このまま行くと香港はどこも同じ風景になってしまう」という危機感を若い世代が持ち、しかも実際にアクションを起こしているというのはとても頼もしいことに思える。

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「嘉咸街界隈 - 2004年」


もしかすると、現実には政府から補償金もらって代替地もらったほうが商売にはずっといいのにと思っている経営者も少なくないのかもしれない。
けれど、個人的には若者たちのその「志」の部分を高く評価したい。
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by jellyfishcafe | 2011-01-17 01:56 | Hongkong2010
2011年 01月 14日
「嘉咸街」
香港に行くと必ず足を運んで写真を撮る場所がトラムの他にもう1つある。
それが中環の皇后大道中から山側に向かって伸びる細い坂道の通り「嘉咸街」界隈。

このあたりは基本的にハイパーなビルの立ち並ぶ香港有数のオフィス街なのだが、その近未来的なビルの麓にまるで果てなき密林のように市場と屋台街が広がっている。初めてここを訪れて以来、この界隈が持つ魅力にぼくはすっかりやられてしまった。

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「嘉咸街」(Graham Street)


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街市として100年近い歴史があるというこの地域を巨大ビジネスセンター&ホテルにするという再開発計画が持ち上がったのが約3年前。反対運動などもあって現在工事着手は一時的に停止されてるらしいがそれとて今後どうなるか分からない。だから毎回真っ先に訪れて「良かった。あそこもここもまだ残ってた」と安堵するのがお決まりになってしまった。
いつ消えてしまうか分からない街を常に一歩一歩噛み締めながら歩く。
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by jellyfishcafe | 2011-01-14 02:06 | Hongkong2010
2011年 01月 08日
「Atmosphere」
香港に行くと相変わらずトラムばかり撮っている。
毎年のように行っていてその度に撮っているのだから、そろそろ飽きてもいい頃じゃないかと我ながら思うのだけど、これが不思議と飽きない。
何度撮っても何枚撮ってもなぜか撮りきれてないように思うのだ。いつもどこか新鮮さを感じる。かくして、毎年同じようなトラム写真ばかりがたくさん手元に残ることになる。

けれどずっと見ているからこそ分かる変化というのもある。
サブプライム問題発の世界金融危機(07年)やリーマンショック(08年)の直後には、トラムの広告が目に見えて減った時期があった。その頃撮った写真にはラッピング広告のない地味なグリーンのトラムが多く写っているのだけど、それが一昨年や昨年の写真では再び広告車両が目に見えて増えてきているのを感じる。

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世界の景気が本当に復活してきているのかどうかは良く分からないけど、香港の街に以前より活気が戻ってきたことは確かだと思う。
そういう街の空気感をそのままダイレクトに体言している存在だから、香港のトラムは撮っていてずっと飽きない被写体なのかもしれない。
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by jellyfishcafe | 2011-01-08 01:50 | Hongkong2010
2010年 12月 29日
「High sensitivity」
例年ならば香港には銀塩レンジファインダーあたりを持って出かけるのだが、今回は初めてフルサイズのデジタル一眼を担いで出かけた。

で、分かったこと。
冒頭で思わず「担いで」と書いてしまったけど、正直これ以上的確な表現はぼくのボキャブラリからは出てきそうもない。まさに「担ぐ」。それほどカメラは重くカメラバッグはギリリと肩に食い込んだ。
よく年配の方がデジタル一眼と交換レンズが数本入ったバッグを持って撮影しているのを見るけど、本当に頭が下がる思いである。香港のような軽快な移動を要求される旅には、やっぱりこのテのカメラは合わないのだと空を見上げながら思った。(気づけよという噂もある)

しかし、人生どんな環境においても悪いことばかりじゃない。
ISO2000なんていう、銀塩ではまずありえない高感度で切り取ったデジタルな香港の夜は、いつもと一味違う景色に見えた気がした。

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EOS 5DmkII + EF35mm/f1.4L


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EOS 5DmkII + EF24-105mm/f4L


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EOS 5DmkII + EF24-105mm/f4L



人生苦あれば楽あり。渓流ウグイあればヤマメあり。(ちと違う)
これからの旅でのカメラ選びにはまた悩むことになりそうだ。
いや、その前に体力づくりが必要かもしれない(笑)
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by jellyfishcafe | 2010-12-29 01:39 | Hongkong2010
2010年 12月 27日
「定点」
今年の香港、気にかけていた中環の再開発はさほど進んでおらず、ぼくの好きな旧中環街市周辺は昨年のままの風景で内心ホッとした。
代わりに海側地区の開発は埋め立てと道路作りが急ピッチで進んでいて、以前とは景色が変わっていた。
以下は中環フェリーピア周辺の定点観測。(2008年ぶんは写真が見つからず)

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【2007年】


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【2009年】


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【2010年】


真ん中の金色のビル(遠東金融中心:Far East Finance Centre)を目印に見てもらうと、どれだけ景色が変わったのかがよく分かると思う。
天星小輪のフェリーピアが移動してからわずか3年。あっという間にこれだけの変化である。この調子で行くと、10年後にはヴィクトリア湾自体消えているんじゃないかという気すらしてくる。
ノスタルジーにひたる時間もないうちにどんどん姿形を変えていく香港。その姿はむしろ常に形が変化し続けるのが香港なのだと主張しているかのようだった。

その夜、中環の本屋で新しい香港街道地方指南(2011年度版)を買った。ページのあちこちに淡いグレーの網掛けで表記された「未来の香港」があった。
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by jellyfishcafe | 2010-12-27 01:42 | Hongkong2010
2010年 12月 23日
「Hongkong Kicks」
週末、毎度御馴染みの香港に行っておりました。
賑やかさに関しては年がら年中お祭り騒ぎのような香港ですが、さすがにクリスマス直前のこの時期はいつもとはまた違う空気が漂っています。

単にクリスマスムードだけならもちろん日本にいても十分味わえます。
だけど、東京あたりの大人クールな雰囲気と違って、香港の街のクリスマスの雰囲気はもっと直情的な子供ハッピー感に満ちていて、ぼくはそれがとても好きです。

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最近、日本で感じることが多かった何ともいえない行き詰まり感を、香港パワーにドカンと蹴散らしてもらった気がした旅でした。
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by jellyfishcafe | 2010-12-23 01:51 | Hongkong2010