2014年 02月 12日
>>『殺処分のキリン解体を一般公開、死骸はライオンの餌に デンマーク』 すごく難しい問題を内包してるニュースだと思う。 殺処分を一般公開した動物園側にまったく問題がなかったとは思わないけど、 「可哀相」とか「残酷」という理由でこの問題を批判すると、クジラやイルカ漁への 的外れな批判と同じところに着地してしまう。それは避けるべきだろう。 なのでここではコトの是非は置いておいて極私的な感想を書くことにする。 はっきり感じるのは、このデンマークの動物園は「動物を飼育・繁殖させること」に ついて、非常に合理的で強力な「ルール」を持っているということ。 そして、その「実行」について(時として米国やアジアの人たちが冷酷に感じるほど) 揺るがない「意思」を持っていることだ。 それはキリンを引き取ると言われても、職員が脅迫されても殺処分を止めなかった 動物園の以下のコメントを見ても強く伝わってくる。 殺処分した理由について同動物園のバンク・ホルスト氏は、「キリンは国際的な繁殖計画の一環として飼育している。同計画の目的は、安定した健全な群れの維持にある」と説明。去勢などの選択肢はなかったのかという質問に対しては、「去勢すれば、遺伝子的にもっと価値の高いキリンのためのスペースが取られてしまう」と語った。 ちょっと乱暴な言い方だけど「動物は生まれながらにして優劣があり、ルールに 従った管理が必要」という考え方はものすごくアチラらしいと思う。 このへん、みんな平等だよ(実際はぜんぜん平等じゃないけど)として育てられる 日本人では理解できても納得は出来ない考え方である。 そしてこの問題についての感覚のギャップはそこに理由があるような気もする。 動物園は世界中にあるけど、その運営方針は国によって全然違う。 欧州には欧州の、米国には米国の、日本には日本の飼育や展示に対する理念が それぞれある。さらにそれは個々の動物園によっても全然違うはずで正解もない かわりに間違いもない。 一つはっきり言えることは、この動物園は「思慮が足りない」わけでもなければ 「命を粗末に扱っている」わけでもないということだ。 そこらへんを全て超越して「彼らのルール」を実行しているのだと思う。たぶん。
by jellyfishcafe
| 2014-02-12 01:21
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