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2013年 01月 13日
「Museu da Carris #2」
マダムが廻してきてくれた初期型トラムに乗り込む。他に乗客はおらず貸切である。
ブイーンというエンジン音がしてスムーズに車体が動き出した。
1901年製とは思えない滑らかさに感心。

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初期型トラムの車内。まるでサロンのような内装。


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運転台に立つマダム。操輪が左右2つあって立って運転する。
この初期型は前後両方に運転台がある。操縦席部分は半分オープンな作りに
なっており、見た目、電車というよりフネの操縦席っぽい。

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座席は現代のものとは全然違うフカフカのシートがついている。
シートというよりソファと呼ぶほうがしっくりくるような高級感のある椅子。
ふと周囲を見渡すとシート以外にも様々な備品の作りが違う。
それも単にクラシックというだけでなく、作りの良さを感じものばかりだ。

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背もたれは前後可動式。終点に着いたら反対に倒して向きを変えて使ったのだろう。
現在のリスボンのトラムは基本的に進行方向が決まっているので、運転台が片方に
しかないタイプが殆ど。
車内の窓にはベロア素材のカーテンがついている。これも今見ると新鮮。

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車内数箇所にある室内灯。どうですこの手の込んだ作り。
同時によく考えれば現代というのは、こういうところにお金をかけられない
時代なのだなとも感じる。それを合理的と呼ぶならそうなのかも知れないけれど、
何か乾いた気持ちになることも確か。

「Museu da Carris #2」_e0136330_453168.jpg


おそらく、今走っている赤い観光トラムはこの初期型車両をモチーフにしたもの
なのだろう。カラーリングもカウキャッチャーも同じ雰囲気だ。
別館まですぐなのかと思ったが、思ったよりも移動距離は長い。でも楽しい。
そのうちいくつかのカーブを抜けた老トラムは車庫のような別館の前で停まった。


(つづく)

by jellyfishcafe | 2013-01-13 07:26 | Spain&Portugal2012


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