人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2011年 02月 17日
「One photo」
>>「世界報道写真大賞、『耳と鼻をそぎ落とされたアフガン女性』に」 (AFPBB)
世界報道写真財団(World Press Photo)が選ぶ「2010年世界報道写真大賞(World Press Photo Award)」に、南アフリカのジョディ・ビーバー(Jodi Bieber)氏が撮影した、結婚先から逃げ出した罰として耳と鼻をそぎ落とされたアフガニスタン女性ビビ・アイシャ(Bibi Ayesha)さんの肖像写真が選ばれた。

ここ数年の世界報道写真大賞は、一歩下がってその奥の現実の深さを伝える1枚というか、巨大な問題の入り口の扉だけを巧妙に切り取った1枚みたいなのが選ばれることが多い気がしていた。
それだけに去年かなり話題になったこの写真が、2010年度の大賞と知った時にはいつもと違うそのストレートさにちょっと驚かされた。
彼女の耳と鼻をそぎ落としたのは実の夫だが、彼女がこのような悲劇に遭った原因は単に暴力的な夫のせいではなく、社会背景にあるあたりが受賞の理由なのだろう。

ぼくは宗教観に基づく思想信条について、外国人がどうこう言うのは基本的にマナー違反だと思っている。
食文化の問題と同じように、それらも尊重されるべきだと思うからだ。
しかし。
妻や娘への暴力の正当化、女性就学の禁止、しまいには祭りや音楽まで禁止。
そんな行き過ぎた狂信的な原理主義には強い反感を押さえられない。これはイスラム教に限らず全ての宗教についてそう思う。

ヒトの心を幸福にしない宗教は存在理由がない。
無宗教のぼくが言っても説得力はゼロ以下だけど、心からそう思っている。



<追伸>
写真の女性、ビビ・アイシャさんは保護団体のサポートにより耳と鼻を回復する手術のために米国で治療中。とりあえず人口の鼻を装着できたらしい。その美しさにさらに胸が痛む。
>>「タリバン兵の夫に耳と鼻を切り落とされた女性、米で回復手術へ」  (AFPBB)


by jellyfishcafe | 2011-02-17 01:58 | fotography


<< 「高架下の魔女」      「シュールな街角」 >>