2010年 12月 17日
「時を超えた鱒」
>>「絶滅種クニマス、70年ぶり確認=秋田・田沢湖の固有種、山梨・西湖で-京大教授ら」
環境省のレッドリストで絶滅種に指定されている魚「クニマス」が、山梨県にある富士五湖の一つ、西湖で生息していたことが15日、分かった。京都大の中坊徹次教授らが発見、確認した。生息が確認されたのは約70年ぶりで、絶滅したとされていた魚類が再発見されたのは初めて。


何の気なしに開いたYahooのトップページに「クニマス発見」の文字を見たときは、久しぶりに頭の中が白くなってゴーっと音がしました。
個人的な感想としては、本当に色んな意味で驚いた!というトコロ。

 ・過去、あれだけ幻の鱒と騒がれ、懸賞金までかけられたクニマスが移植先として分かっていた西湖で見つかったこと。(正確には今まで見つからなかったこと)

 ・クニマスが西湖で自然繁殖していたこと。西湖では特別珍しい存在でもなく、ヒメマス漁獲の数パーセントを占めると思われるほど個体数が安定していること。

 ・クニマスがヒメマスや他のマスと交雑せず、オリジナルの種を保っていたこと。

 ・発見者がさかなクンと師匠のコンビだったこと。(コレはそう驚かないけど 笑)

・・・などなど。考えれば考えるほど仰天ポイントは尽きません。

普通、ぼくら釣り人は少々変わった鱒を釣り上げたとしても、それが絶滅種や希少種とはまず考えません。変異体や交配種などそれでなくても変わった特徴を持つ魚というのは結構いるものです。だからクニマスを釣り上げたとしてもきっと気づかないであろうし、実際、今まで西湖でクニマスを釣り上げたヒトも気づかなかったわけです。

今回はさかなクンのお手柄だったわけですが、報道によればさかなクンは「クニマス」のイラストを書くよう依頼されていたとのことで、個人的には一番良かったのはこの点ではないかと思います。
つまり彼が最初から「クニマスを見る目」をもっていたからこそ、結びついたのではないでしょうか。クニマスの姿を見たことがないヒトが普通より少々色の黒い鱒を前にして、もしかしてクニマスなんでは?と疑うことは本当にスゴいことだと思います。

釣りを趣味にしていると、色々な土地で魚にまつわる様々な話を耳にします。
中には俄に信じがたい眉唾ものの話もありますが、実際、魚を巡る出来事には不思議なことが多いようです。大昔から日本人に愛されてきたウナギだって、詳細な生態が分かってきたのはここ数年ようやくのこと。
いつもヒトの生活のすぐ傍にいるようで、実はよく分からないことのほうが多い。サカナって相当不思議な存在なのかもしれません。

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ところで。
クニマス再発見は素晴らしいニュースだと思うけど、やけに軽いメディアの報道トーンを見てるとちょっとその後が心配です。おそらくは何らかの保護対策がとられるのでしょうが、この国の「保護対策」が大いにクセモノなのは皆さんもご存知の通り。。
とにもかくにも、保護対策のせいで70年間ひっそりと生き延びてきたクニマスが再び絶滅の危機に、なんてならないことを心から祈っています。
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by jellyfishcafe | 2010-12-17 01:52 | Fishing


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