2009年 10月 05日
長らく続いていた多忙モードがようやく一段落。 週末はナナメ読み後に放っておいたナショジオのバックナンバーを転がりながら再読。 6月号のカワイルカの記事が面白かった。 カワイルカは南米や中国など大きく世界の4箇所に生息しているが、生物学上の分類は4科4属なのだそうだ。つまり4種類のカワイルカは決して近縁とは言えず、それぞれ種としてかなり独立しているらしい。 馴染み深いところで例を出すと、イワナはサケ科イワナ属でヤマメはサケ科サケ亜科タイヘイヨウサケ属。 少なくとも釣り人感覚ではイワナとヤマメはかなり違う魚だが、生物学的には科が同じなのでこれは近縁ということになる。それに比べて、見た目は非常に似ている4種類のカワイルカは、実際にはイワナとヤマメの違いより遥かに上のレベルで異なる生き物となるわけである。 生物学的に離れた種が、進化の過程で似通った姿形となることを収斂進化(Convergent evolution)と言うらしいがカワイルカはその典型的な1つの例らしい。 これはつまるところ、生物の体の形状を作っているのは生物自身の意思ではなく、生息する環境だということなんだと思う。もっと突っ込むと生物自体には決まった形がないとも言えるのかも知れず、SF映画に出てくるフニャフニャで何にでも形を変えられる宇宙人はある意味、この星の生き物の姿そのものなのかもしれない。 そして今まさにこの瞬間も自然界の生物は、環境に少しでも適応しようと必死こいて進化しているわけである。 生息環境に自らを合わせるのをやめて、自らが生きやすいように環境のほうを変えていくヒトは、もはや生き物としての法則を失っているのかもしれないなぁと感じさせられた今日この頃。
by jellyfishcafe
| 2009-10-05 23:31
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